店舗運営の仕方

【人の管理】人時売上高・人時生産性の求め方と3つのデメリット!

たるたん

管理人のたるたんです。店長としてシフト作成するときに共通する悩みはこのようなものではないでしょうか?

店長

来月はやらないといけない作業も多いし、従業員が必要だ。でも増やしたらその分お金もかかるし、簡単に増やしていいものだろうか、、、。

売上を上げるため、必要な作業を終わらせるためにはそれに見合った人員が必要です。

しかし人員を増やし過ぎると経費がかかり、店の経営を圧迫することになります。

いくら人員が必要だからといっても、適正に店の経営をするためには売上に見合った人員の配置をしないと赤字を招いてしまいます。

たるたん

ここでは適切な店の経営をするために必要な「人の管理」についての勉強をしていきましょう!

この記事の内容
  1. 人の管理に役立つ「人時」「人時売上高」「人時生産性」を学ぶ
  2. 人時のデメリットと対策を解説
  3. 適正な人件費の使い方を紹介

人時(にんじ)とは

作業量を表す単位として「人時」という言葉があります。

人時とは「1人でやると1時間かかる作業量」のことを言い、作業量を表す単位として使われます。

たるたん

「2人時かかる」と言うと「1人でやると2時間かかる」という意味に、「0.5人時かかる」と言うと「1人でやると30分かかる」という意味になります。

例えば前出しで0.5人時、品出しに0.5人時、エンドの作成に3人時、発注に1人時の作業量だとすると、合計5人時かかるので1人でやると5時間分の時間を確保する必要があるとわかります。

どれぐらいの作業量があるかを表す単位。
1人ですると1時間かかる作業量のことを「1人時」と言う

人時の計算法

人時=人数×時間(分は時間に直す)

人時で作業を表すことで「1人ですると何時間かかる作業なのか」または「1時間で終わらせるためには何人必要なのか」が分かるようになります。

例えば先ほどと同じ前出しで0.5人時、品出しに0.5人時、エンドの作成に3人時、発注に1人時の作業量だとすると、合計5人時かかるので1人でやると5時間分ですが、2人では2.5時間分で良いことになります。

逆に5人時分の作業量を1時間で終わらせる場合には、5人の人数が必要になります。

人時は人数と時間で計算され、同じ作業量なら1人で時間をかけて終わらせても、人数をかけて速く終わらせても人時は同じになります。

人時を利用した分析方法

たるたん

人時を使って店の経営状況を分析するための指標としてよく使われるのが「人時売上高」「人時生産性」です。この2つについて説明していきます。

人時売上高

人時売上高は従業員1人が1時間働いたときにどれぐらい売上を生み出したかを表します。

 

\(\bf人時売上高=\rm\large\frac{売上高}{総労働時間(総人時)}\)

たるたん

私はシフト作成の際に毎月の人時売上高や昨年の人時売上高を確認しています。これにより来月の売上を予測した時にどれぐらいの人時が必要になるのかを計算しシフト作成できるので、無駄な人時を使わなくてすみます!

人時生産性

人時生産性は従業員1人が1時間働いたときにどれぐらい粗利を稼いでいるかを表します。

\(\bf人時生産性=\rm\large\frac{粗利}{総労働時間(総人時)}\)

ある一定期間に使った人時(作業時間)に対してどれぐらいの利益を稼いだかを計算するときに使用され、店の経営の効率がどれぐらい良いかを測る指標となります。

たるたん

いくら利益が出ているからと言って人時を使いすぎると人時生産性は下がり、効率の悪い経営をしていると判断されます。

長時間労働が問題になっている現代社会では人時生産性は非常に重要で、少ない労働時間で最大の利益を上げることが必須となっています。

人時生産性(業種平均)

引用元:中小小売業・サービス業の生産性分析 2021年6月 中小企業庁

人時のデメリット

同じ人時でも人数が違う場合がある

店長

この作業はどれぐらいで出来るんだい?(1人だと2時間ぐらいかかりそうだな)。

アルバイト

店長!1時間もあればできますよ!(2人で一気にやればいけるでしょ)。

店長

そんなに速く!?
素晴らしいね!よろしく頼むよ。

人数を増やせば早く作業は終わりますが、その分人件費もかかり、他の作業もその間は進まないというということです。

早く終わった分だけその後にすることがなくなり、サボってしまってはそれこそ人時の無駄使いになります。

たるたん

なんだかうまく話がかみ合ってしまっていますが、1人でやるのか複数人でやるのかでは意味が違い、店の経費にも影響することになります。

人件費を計算に入れていない

給料が違っても人時は同じ

給料は当然店長のほうが高いため、店長のほうが人件費がかかるということです。 しかし、人時は作業量を表す指標なので人件費は計算に入りません。

たるたん

同じ1人時でもアルバイトがする単純な作業を店長がすると無駄に人件費をかけることになるため、人件費がかかる従業員ほど店舗の利益を生み出す重要な作業に人時をかけることが重要です。

人によって作業量が違う

同じ作業でも「誰がやるか」で
作業時間が変わる

同じ作業、同じ時間内でも人によってできる作業が変わります。店長なら1人時で終わる作業もアルバイトは2人時かかるかもしれません。つまりその従業員に適した作業を割り振ることで余計な人時をかけないで済み、効率の良く仕事が進むことになります。

人時のデメリットへの対策

ワークスケジュールの作成

同じ人時でも人数が違う場合があります。

そのためにはその日のワークスケジュールを作成しておき、どの時間に誰が何をやるかをしっかりと決めておくことで余計な人数を使って作業することを防ぎます。

たるたん

私はシフトを作る段階でどの日に何をするかをある程度決めています。さらにそこからその日の何時にどの作業をするかスケジュールを作成しています。

労働分配率で人件費の使い過ぎを防ぐ

人時では人件費をどれぐらいかけているかは分からないため、「労働分配率」という指標を使いどれぐらいの人件費を使っているかを調べます。

労働分配率は稼いだ粗利のうちどれぐらいを人件費に使っているを表します。

\(\bf労働分配率=\rm\large\frac{人件費}{粗利益高}\)

たるたん

人時は注意点で説明した通り、人件費は分かりません。そこで人件費について考えられる指標が労働分配率です。 人件費を使わずに利益を出せるほうが労働分配率は低くなるので労働分配率は低いほど優秀であるとされています。

一般的に店舗では粗利の3分の1が人件費というのが理想で、50%を超えると赤字と言われます。

部下の育成に注力

その作業に適した人材を配置するというのはもちろんです。

しかし、出来る人が出来る仕事のみしていてはいつまで経っても作業スピードは上がらず、人時の削減は出来ないままです。

たるたん

新しい仕事を任せる場合は時間がかかってしまうこともあり、敬遠してしまう人も多いですが、部下を成長させることは後々自分が楽に仕事を進められることにも繋がります。仕事の任せ方については以下の記事で紹介しています。

まとめ

1.人時(にんじ)とは

どれぐらいの作業量があるかを表す単位。
1人ですると1時間かかる作業量のことを「1人時」
と言う

 1.人時の計算法

人時=人数×時間(分は時間に直す)

2.人時を利用した分析方法

 1.人時売上高

人時売上高は従業員1人が1時間働いたときにどれぐらい売上をあげたかを表します。

\(\bf人時売上高=\rm\large\frac{売上高}{総労働時間(総人時)}\)

 2.人時生産性

人時生産性は従業員1人が1時間働いたときにどれぐらい粗利を稼いでいるかを表します。

\(\bf人時生産性=\rm\large\frac{粗利}{総労働時間(総人時)}\)

3.人時のデメリット

 1.同じ人時でも人数が違う場合がある

 2.人件費を計算に入れていない

 3.人によって作業量が違う

4.人時のデメリットへの対策

 1.ワークスケジュールの作成

 2.労働分配率で人件費の使い過ぎを防ぐ

労働分配率は稼いだ粗利のうちどれぐらいを人件費に使っているを表します。

(\bf労働分配率=\rm\large\frac{人件費}{粗利益高})

 3.部下の育成に注力